よくある質問
不妊と治療
- Q1. 不妊ってどういう状態?
- Q2. 不妊には、どんな原因が考えられるの?
- Q3. 治療には、どんな手段があるの?
- Q4. 不妊治療って自費診療だから高いってホント?
- Q5. どのくらいの期間できなければ病院へ?
- Q6. 初診から主人も一緒に行ったほうがいい?
- Q7. 初診は月経周期のどのタイミングがベスト?
- Q8. 受けておきたい不妊検査と、その費用
- Q9. どうして不妊治療では、女性の年齢ばかりを騒ぎ立てるの?
- Q10. 二人目不妊かも。やっぱり目安は2年?
- 推定排卵予定日を計算してみる
不妊と治療
Q1. 不妊ってどういう状態?
A.不妊症とは、避妊をしていないにもかかわらず2年間以上、 妊娠しない状態のことをいいます。なんで2年がボーダーラインなの!? と不思議に思われる方もいるでしょう。 実は、統計上、避妊をしていない夫婦の9割が2年以内に妊娠しているからなのです。 残る1割のご夫婦には、やはり何かしら妊娠しにくい訳があるのでしょう。 さらにいえば、避妊していない夫婦の8割が1年以内に妊娠することから、 欧米などでは、1年間以上、妊娠しない段階を不妊症と定義する国も少なくありません。
Q2. 不妊には、どんな原因が考えられるの?
A.不妊症のご夫婦の場合、「卵子と精子が卵管内でタイミングよく出会い、
受精卵となって、子宮内に着床する」という妊娠の一連のプロセスにおいて、
何らかの障害が起きているものと思われます。
さまざまな不妊原因が考えられますが、3大不妊原因と呼ばれているのが、
「うまく卵子を排卵することができない排卵障害」、
「精子や受精卵の通り道である卵管が詰まり気味になっている、
もしくは詰まってしまっている卵管障害」、
そして
「十分な数の精子を女性の体内に送り出せない男性不妊」の3つ。
ほかにも、
「排卵された卵子を卵管内にとり込めない」、
「卵子の質が悪い」、
「うまく受精できない」、
「良い受精卵ができない」、
「受精卵を子宮内に運べない」、
「子宮内にうまく着床できない」、
「妊娠を維持するホルモンが足りない」、
「女性側が精子に対して抗体を持っていて、精子の動きをとめてしまう」
などといった障害が考えられます。
ただし、これらの不妊原因の中には、現在の不妊検査の方法や技術では正しく
評価できないものが少なからず含まれています。実際、不妊症のカップルの約20%には、
はっきりとした原因が見つかりません。
機能性不妊(原因不明不妊)だと診断された場合には、決して「原因がないのだ」と楽観視せずに、
「原因はあるけれども、見つからないだけなのだ」ととらえ積極的に治療を受けるべきでしょう。
Q3. 治療には、どんな手段があるの?
A.不妊治療とは、不妊原因を根本から治すことに重点をおいたものではなく、
医療の力で足りないものを補ったり、
過ぎたものを抑えたりしながら妊娠をアシストする行為だと考えていただくとよいでしょう。
治療段階としては、おおまかに3つのステップに分けられています。
第1段階は、最も医療の介入度が低いタイミング指導。
医療技術を用いて排卵日を正確に予測し、
夫婦生活(セックス)のベストなタイミングを伝えるというものです。
第2段階は、排卵直前に、ご主人の精液を奥様の子宮内に確実にスポイトで
注入するAIH(人工授精)。
要は、精子チームが卵子を目指す過酷な旅のスタート地点を、
膣内ではなく子宮の奥にすることで、より卵子に近いポイントに移動させるという、
比較的単純な発想のアシストなのです。
第3段階は、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI/イクシー)などの
生殖補助技術(ART/アート)と呼ばれる技術を用いた高度生殖医療。
決して最終手段という訳ではなく、Uターンも可能です。
結果的にARTとARTの合間に行ったAIHで妊娠されるケースなども、珍しくはありません。
Q4. 不妊治療って自費診療だから高いってホント?
A.不妊治療は、健康保険が適用される保険診療と適用されない自費診療が混じった混合診療です。
当院では、タイミング指導並び不妊原因を突きとめるための一般不妊検査のほとんどに
健康保険が適用されますので、どうぞご安心して治療をお受けください。
ただし、AIH(人工授精)や体外受精などのART治療に関しては、
現在のところ自費診療となっております
(「費用について」のページ参照)。
なお、ART治療に対しては、姫路市(兵庫県)が特定不妊治療費助成事業を行っておりますので、
条件にあえば給付を受けることも可能です
(「特定不妊治療費助成事業のお知らせ」のページ参照)。
一般的も、似たような診療体制のところが多いとは思われますが、
中にはすべて自費診療扱いで医療を提供している病院もありますので、
念のため事前に確認されたほうがよいでしょう。
Q5. どのくらいの期間できなければ病院へ?
A.不妊症とは、避妊をせずに2年以上経つにもかかわらず子どもができない状況をいいます。
やはり2年間できなければ、何かしらできにくい原因があると考えて病院を訪ねたほうがよいでしょう。
最近は晩婚化も進んでいますが、35才を過ぎると女性の卵子の質が急速に低下しはじめるのをご存じですか?
女性は加齢とともに妊娠率が低くなり、流産率は高くなっていきます。
もしも奥さまが35才以上の方ならば、様子をみるのは1年間くらいでも十分かもしれませんね。
40才を過ぎている場合には、結婚してすぐにおいでいただいても早すぎるということはないでしょう。
Q6. 初診から主人も一緒に行ったほうがいい?
A.不妊症は、夫婦2人の問題として受け止め、2人で立ち向かっていかなければならない病気です。
ところが、いざ治療がはじまると、不妊原因がどちらにあろうとも通院するのは奥様、
治療を受けるのも奥様といった具合で、不妊治療における女性の負担は少なくありません。
奥様にとって、不安の大きな初診や今後の治療方針を決めるミーティングの折などには、
ご主人も同行していただけるとうれしいのですが、ご都合はつきませんでしょうか?
そもそも不妊の原因は、男女半々です。
できるだけ早い段階で、男性も精液検査を受けなくてもらわなくてはなりません。
もしも初診の日に、精液検査も済ませてしまおうということであれば、
およそ3〜5日前から禁欲したうえで来院してください。
ご主人が来院できない場合は、専用の容器にマスターベーションで採取していただいた精液を、
奥様が病院に持参してくだされば精液検査は可能です。
Q7. 初診は月経周期のどのタイミングがベスト?
A.いつ来ていただいてもけっこうですが、できれば不妊原因を探る検査を行いやすい
月経終了直後の低温期がベストでしょう。
さらに、数カ月分の基礎体温を折れ線グラフした表を持ってきてくださると助かります。
もちろん必須ではありませんので、「やっぱり病院に行こう!」と決断できたタイミングを大事にしてください。
Q8. 受けておきたい不妊検査
A.私たちは、それぞれのご夫婦に最適な治療方法を理解してもらったうえで、
最終的には2人に治療の進め方を選んでいただくようにしています。
そのためにも、2人の不妊原因については本格的な不妊治療をはじめる前に探っておかなければなりません。
当院では、基本的には初診から月経周期で2周期以内に、
次の8項目に及ぶ一般不妊検査(不妊スクリーニング検査)を受けていただきます。
-
@ 『基礎体温測定』……
排卵の有無や黄体機能不全の診断ができ、排卵日の予測にもつながります -
A 『精液検査』……
精液量、精液1ミリリットルあたりの精子数(精子濃度)や精子の運動率、 奇形率などを調べます -
B 『性交後頸官粘液検査(フーナーテスト)』……
精子が頸管内を通過できているかをみます -
C『子宮卵管造影検査』……
膣側から子宮内に造影剤を入れレントゲンで観察することで、子宮の形や卵管の通過性がわかります。 通過性をよくする治療効果もあります -
D 『経膣超音波検査』……
子宮筋腫の有無、卵胞の発育や子宮内膜の状態などがわかります -
E『ホルモン検査(採血)』……
排卵や妊娠の維持に必要なホルモンが正常に分泌されているか、 妊娠に不利なホルモンが過剰に出ていないかを調べます -
F 『クラミジア感染症検査』……
血液検査または子宮頸管内の分泌物を採取して、 現在クラミジアに感染しているかを調べます -
G『抗精子抗体検査(採血)』……
精子の動きをとめてしまう抗体が女性側にあるかどうかを調べる検査。 不妊女性の数%に見つかります。
Q9. どうして不妊治療では、女性の年齢ばかりを騒ぎ立てるの?
A.女性の方は、さぞ不愉快な思いをされていることでしょう。
でも、生物学的にどうしようもない問題なのです。
加齢にともなって卵子が老化するお話(Q1.〜5.の回答欄参照)は、すでにしましたよね。
実は、卵子というものはその女性が生まれてくる前、
その女性がお母さんのおなかの中にいた胎児時代につくられたものが、
卵巣内に大量に冬眠しているかのような状態でストックされていて、
それが毎周期数十個ずつ目覚め、そのうちの1個のみが排卵されているのです。
つまり今日35才になった女性の卵子であれば、製造年月日は35年以上前というわけ。
卵巣は優秀な保管庫ですが、冷凍庫内の食品にも賞味期限があるように、卵子の老化もいなめません。
そして現段階では、卵子の質の低下は、高度な医療技術を持ってしてもカバーできないものです。
医師が35歳を過ぎた女性に妊娠をできるだけ急ぐようにすすめるのには、
こうした理由があるのです。
それに対して、男性の精子は、常に新しいものがつくられ続けている状態(
製造には、およそ3カ月を要します)ですので、まさにできたて!ということも。
ですから男性は、夫婦生活さえ可能であれば、何歳であっても父親になりうる可能性があるというわけです。
ご主人は、ぜひ「奥様には母親になれるリミットがある」ということをよく理解したうえで、
治療にご協力いただけるとありがたく思います。
Q10. 二人目不妊かも。やっぱり目安は2年?
A.一人目のお子さんをすんなり妊娠、出産された方にとっては、
自分たちがまさか“不妊症”であるとは思いがたく、病院の敷居はいっそう高いかも知れませんね。
でも、決して珍しいケースではないのです。一度も妊娠されていないケースを原発性不妊、
出産や中絶など妊娠経験はあるけれども、その後妊娠できないケースを続発性不妊(二人目不妊)といいます。
やはり二人目不妊の場合も、“なかなかできない期間”の目安は2年ということになっています。
とはいっても、授乳中は排卵が起きにくいため、
産後に排卵が再開するのは授乳をやめて2〜3カ月後という方が多く、
月経がはじまってもしばらくは無排卵というケースも。
つまり、産後、排卵がコンスタントに起こるようになるまでにはしばらく時間がかかると思っていてください。
もしも「年齢も高くて、次の出産も急いでいるので、
そこから2年様子をみる気持ちの余裕はないんだけど…」という方であれば、
月経再開後1年たった時点で病院の門をくぐってみてはいかがでしょう。
排卵予定日計算
最終月経開始日と生理周期を入れると排卵予定日を確認することができます。
(※計算された排卵予定日は、
実際の予定日と異なる場合がありますので、予めご了承ください。)